(あくまで私の主観によるものですので、絶対、ということはありません)
Q 祖母の着物が気に入っていて愛着があるのですが、サイズが小さいです。
A 昔の着物は、今はなかなかないようなデザイン、刺繍、生地がありますし、譲っていただいた着物は、着物と一緒に思い出もついてきますので、愛着があります。私も母が結婚式で着た振袖を何度も着て気に入っています。
ただ、たいていの場合は昔の人の体型で仕立ててあるので小さいことが多いです。その場合は、着てみて無理があるようでしたら、仕立て直しをします。
また、保存状態がよくない場合や、着用していると、シミ、カビがあることが多いです。でも、それも裏地を新しいものにしたり、全体を染め直す、シミの部分に色や金銀をのせる、刺繍を重ねる事で新品に近いものにすることが出来ます。それが着物のよさでもあるのです。
仕立て直しは、手作業ですので、ある程度の代金がかかります。一度洗い張りといって、糸を全部解き、洗うという作業も発生します(1万円程度でしょうか)。丈は短い場合、帯でかくれる部分に似た布を足してもらう事もできますし(最近私がした時は1.6万円かかりました)、隠れた部分にあまり布がありそれを出すだけで足りる時もあります。
色をのせたり染め直し、刺繍はそれぞれ範囲が違うと思うので一概には予算は申し上げられませんが、悉皆屋というそういう着物のメンテナンスを専門としているお店にお見積もりをお願いしてから決めるのもいいでしょう。新しく作り直すほうが安い場合もあるでしょうから、そのバランスを考えて、ということです。
裄(袖の長さ)が短くて、出す布がない、という時は困ります。そういったときは、思い切って着物から違うものへのリメークをおすすめします。
着物や羽織から帯、バック、ストールなどです。日傘っていう手もあります(3万ぐらいになるので、なかなか手が出ませんが)。ストールでしたら、裏地をお店で購入してミシンでジャッジャっと縫えば出来るので、直線縫いが出来る人なら簡単です。 細かい柄の布でしたら、草履の鼻緒にするのもいいですね。
いい生地や刺繍は形を変えても素敵なものです。安易に捨てたり、箪笥の肥やしにしたりせず、おばあ様の思い出と共に是非大事にしていただきたいです。